Wednesday, March 28, 2012

野菜の力 精進の時代


この本の著者棚橋俊夫さんは、「月心居」という精進料理のお店をされていた方です。
ご本人はベジタリアンというわけではなく、
“どこに出かけても、出されたものはありがたく頂戴するようにしています。
お釈迦様の信奉者として、この姿勢は崩したくないものの一つです。”ということです。


 序 精進を歩む より

 二十一世紀は野菜の時代。そして、精進の時代です。
 この「野菜の時代」をみなさんはどのようにイメージするでしょう。
 争いのない平和な時代。あるいは身体にやさしい健康的な時代。
(中略)
 私たち人間は、トマト一つ創造できません。目の前のトマト、茄子、人参などの奇跡の
賜物をまずありがたく、愛しく食してみてください。動物は同物、植物は食物。地球上の
六七億人が飢えることなく幸せに暮らせるには、まず野菜を中心にした食生活からはじまり
ます。飢えのない環境にやさしい、そして健康的な生活をするために、野菜と向き合うことが
地球上の問題を解く最後の答えになります。
 野菜と一緒に暮らし、感じてください。そんなバランスのとれたシンプルなことが、実は
多くの人たちを幸せにすることになり、精進的生活をエンジョイすることになるのです。

野菜知らずの野菜騒動 より
 (前略)
 野菜の王国のもう一つの皮肉は、先進国の中でも極端にベジタリアンが少ないことです。
逆にいえば、ベジタリアン料理を出す店がほとんどといっていいほどありません。私はベジ
タリアンを一概に肯定するものではありませんが、海外からベジタリアンにご来店いただく
たびに、他に安心して入れる店がほとんどないということを聞き、嘆かわしく思っています。
 (中略)
 国際化社会の今、あらゆる国から多くの人々が日本にやってきます。風土も習慣も言葉も
異なるように、食べ物についてもそのとらえ方は各国さまざまです。他国ではベジタリアンと
いう人種は立派に成立しているのに、なぜ日本ではあまり広まっていないのでしょう。
 欧米に広く知られた禅の影響からか、彼らは日本にやってくると京都や奈良を訪ね、この国
独特の精神世界に浸ります。ところが、そこで食事となると、行き場に困るといいます。
有名な店の和食を食べようとしても、目に見える肉や魚を箸でよけても、味のベースとなる
出汁の中に鰹節が入っていたりするからです。そのため、最初から最後まで、とうとう箸を
つけられずに泣く泣く店を出た、という話も少なくないと聞きます。この状況もまた、肉や
魚料理に重きを置いた今日の日本の食生活の象徴ともいえるでしょう。

                   『野菜の力 精進の時代』 棚橋俊夫

2 comments:

  1. こんにちは~
    アメリカ(LA)も言うほどベジタリアンのお店はあまり無いと思います~田舎に行ったらホボ無いのでは?
    日本もアメリカももっともっとベジタリアンが広がります様に。

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  2. こんにちは!
    そうですね、日本と比べれば都市部にはまだある方かもしれませんが、
    少し外れると見つけるのもなかなか大変ですよね。
    NJにも数える程しかなく、いつも同じところばかり行ってます。

    歩けばベジレストランに当たる、くらいになってほしいものですね。

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