Thursday, April 14, 2011

習字


今月から習字を始めました。昔少し習っていたことがあったけれどかなり久しぶり。
書道って落ち着いた平和な感じがするし、誰も傷つけることもないし、
これから先続けていくこととして最適だわ、と思っていました。
しかし、そういえば筆には動物の毛が使われているな、と気づき、
新たに買うことはしないで、今使われずに眠っているものを使うことでよしとしよう、
と自分の中で妥協&納得し、先月日本に帰ったときに祖母からおさがりをもらいました。

他の道具も揃えようと、文具店に行きました。
習字の先生から、自分で墨を擦ったのと墨汁では全然ちがう、と聞いていたので、
墨汁は使わずに墨でやっていこう、と墨を1本買いました。
でも念のため、墨汁も1本買っておこうかな、と思ってそこにあった墨汁を手に取って
見てみると、膠(にかわ)使用、と書かれていました。
膠、そのときそれが何かはわからなかったのですが、動物性っぽい、、と思って
やっぱり買うのをやめました。
こちらに戻ってきてから膠を調べると、、
「獣・魚類の骨・皮・腱・腸などを水で煮た液を乾かし固めた物質。ゼラチンを主成分
 とし、透明または半透明で弾性に富み、主として物を接着するのに用いる」(広辞苑)

墨汁買うのやめてよかった、と安心したのもつかの間、
もしや墨は、、と調べると、、
「油煙や松の根を燃やして出た煤(すす)を、膠で練り固めた物」!!!!!

もう大ショック。
私が無知だったのですが、墨に動物性のものが使われているなんて
全く知りませんでした。考えてもみませんでした。


習字始めます、と言ったばかりなのに、やっぱり辞めます、と言わないといけないのか、
膠が使われていると知ってしまった以上、これから墨を擦り続けていくことはできないし。
膠が使われていない墨や墨汁はないものか、と書道用品メーカーに問い合わせました。

3社に問い合わせて、今のところ2社から回答をいただきました。
ご参考になればと思い、貼付けます。

《呉竹からのご回答》

弊社商品に関するお問い合わせ、誠にありがとうございます。
膠やその他動物由来の材料が全く使われていない製品について
お答え致します。

まず、固形墨(硯ですって使う墨)は、
全て膠が主原料となっていますので条件に適合しません。
液体墨では、以下にご紹介するような「ぼくてき」シリーズが、
膠不使用で適合致します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●商品名: 普及用墨滴 /180ml
(もっとも一般的に使用されている墨滴)
品番: BA4-18
税込価格: \367
呉竹商品データーベース
http://www.craftduo.co.jp/KWSC/GoodsInfo.aspx?ShoCd=0201004018#

●商品名: 清書用墨滴 / 180ml
品番: BA10-18
税込価格: \430
呉竹商品データーベース
http://www.craftduo.co.jp/KWSC/GoodsInfo.aspx?ShoCd=0201010018
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ぼくてき」シリーズの上位品として、以下のような液体墨もございます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●商品名: 森羅万象 /500ml
(展覧会作品用。純黒の墨色)
品番: BB24-50
税込価格: \3,465
呉竹商品データーベース
http://www.craftduo.co.jp/KWSC/GoodsInfo.aspx?ShoCd=0202024050
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


なお、筆も基本的には動物の毛なので不適合ですが、
以下の商品は人工毛ですので適合致します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●商品名 くれ竹優筆 あゆみ
(太筆)
品番: NFL-100S
税込価格: \1,050
呉竹商品データーベース
http://www.craftduo.co.jp/KWSC/GoodsInfo.aspx?ShoCd=2105040003

●商品名: くれ竹優筆 こだま
(細筆)
品番: NFS-50S
税込価格: \525
呉竹商品データーベース
http://www.craftduo.co.jp/KWSC/GoodsInfo.aspx?ShoCd=2105050007
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《墨運堂からのご回答》
ウェブサイト上のカタログで膠不使用と書かれている合成糊剤使用の墨汁は、
全く動物性由来の材料は含まれていないのか、と質問しました。
お問合せいただいた「合成糊剤」の件です。

この「合成糊剤」の成分に「還元乳糖」が含まれております。
量は微量で数値でもコンマ1%以下含まれております。
「還元乳糖」は動物の乳から精製された物です。
大豆などの豆乳だとやはりコストが掛かってしまうので、使用
されることがほとんどありません。

たとえコンマ1%以下でもはyugivege様のスタイルに合わないよう
であれば残念ですが、弊社商品でお勧めする商品はございません。

とどちらからもとても丁寧なメールをいただきました。
たまたまこちらの日系書店で呉竹の普及用墨滴が買えたのでそれを買いました。

普段からどこまでをよしとして、どこで線引きをするのかは難しいなあと思っていますが、
今回のことでより一層考えさせられました。
もちろんできれば動物を全く犠牲にしない生活をしたいと思っていますが、
墨や墨汁のように自分の知らないところで動物由来のものが使われていて、
知らずに使っていることもあるだろうし、
筆のように、動物が犠牲になったものだけど、
使われていないものを有効活用する方がいいのか、
それともやっぱりそういうものは避けて人工のものを使う方がいいのか。
膠が使われていない墨汁は、合成糊剤が使われているのであって、
その材料は動物性ではないけれど、合成のものでいいのか、、等等。

道を歩くだけでもきっと小さい虫を踏んづけたりしているんだろうし、
100%動物の犠牲なしに生きて行くのは不可能なんだろうけれど。

なにはともあれ、習字は楽しいです。

4 comments:

  1. 膠って聞いたことはあったけれど、何から作られているかは知りませんでした。
    動物性だったんですね。
    筆も高級な物は動物性ですよね。

    お習字楽しそうですね。私も実は習いたいと思って、Oradelの教室に申し込もうと思っていたのですが、仕事の都合で時間が合わなくてどうしようか迷っています。

    ReplyDelete
  2. くにこさん、お習字楽しいですよ。自分がここまで書けないか、、と情けなくなりますけど。Oradelにも教室あるんですね。私はParamusに通っています。Waldwickにもあると聞いたことがありますが、少し遠いですね。

    墨はお寺でも写経などでよく使われているだろうし、動物性だったとは夢にも思いませんでした。本当にびっくりしました。

    ReplyDelete
  3. 私もビーガンで書道をやっているのですが、墨は桜墨とか梅の墨が欲しくてついついニカワを使った固形墨を買ってしまいます。固形墨のほうが墨汁より深みや重みが出ると聞いていたからです。でも本当は動物の気が入っていない墨汁のほうがいいのかなともよく分からないなと思います。客観的に物のオーラを見るのってけっこう難しいですね。昔は古梅園から草膠墨という植物性のニカワから作ったベジタリアン用の墨が発売していたようです。それを使ってみたいです。復刻してくれるように古梅園にお願いしてもらえませんか?

    ReplyDelete
  4. コメントありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみません。
    草膠墨、私も欲しいなあと思い、先週末やっと古梅園さんに行って訊いてみました。
    しかし店員さん(年配の方と中年の方)お二人とも、そんなものは知らない、
    うちでは作ったことない、との回答でした。
    復刻のお願いする気満々だったのですが。
    すみません、と謝られて帰ってきました。
    お役に立てずすみません。

    ReplyDelete