Friday, July 20, 2012

VEG-CURIOUS? 2



6月2日にWoodstock Farm Animal Sanctuaryで開かれたイベントVEG-CURIOUS?。
知る人は知っている?(私は知らなかった)有名なスピーカー数名の講演が
ありました。


こちらはこのイベントを企画した方。司会進行をされていました。
ヨガを始めてからベジタリアンになり、そしてビーガンに。
横に立っている男の子は息子さんで、彼もベジタリアンだったのですが、
ある日自分からビーガンになる!と言い出したとか!


この方はWill Tuttle。社会活動家であり、『The World Peace Diet』の著者でもあります。
一日にどれだけの家畜動物が殺されているか、アメリカで売られている魚の2/3は
養殖で、その養殖用の巨大プールは魚が密集しすぎて真っ黒に見える、そしてその水は
薬品や毒が濃縮されてる、、、等など。
また、製薬会社がなぜ大儲けできるのかの話は、短期間であれ製薬会社から身の丈に
合わないお給料をもらっていた私としては心が痛かったです。
製薬会社にとってのマーケットは3つあって、①動物用(ホルモン剤、抗生物質など)
②人間の肉体的疾患用(抗がん剤、その他いろいろ)③人間の精神疾患用。
Will曰く、今は精神薬市場が一番大きいとか。
ホルモン剤や抗生物質などたーくさんの薬を投与された家畜の肉を食べた人間は、
まず肉体的に病気になり、そしてそういう肉食を続けていると精神的にも病気になって
いく、、、、。悪循環。儲かるところだけが儲かっていく。

動物用薬といえば、獣医さんが犬猫たちに使う薬くらいにしか認識がなかったけれど、
家畜用のそういった薬だってもちろん製薬会社が売っているわけで、
一日何億と生まれさせられ殺されていく家畜用の薬の量は半端なく、
それはそれは儲かるのでしょう。

私の売り上げがさっぱりでも、お給料たっぷりもらえた訳だ。


こちらはこのサンクチュアリの創設者のJenny。
ビーガンの目指すところは、他の動物たちを支配しないこと、自由にすること。
だからここの救出保護された家畜動物たちも本当は自由になるのが理想だけれど、
現実的にそれは難しいので、家畜動物を作り出し増やした人間の責任として
できるだけ幸せに暮らしてもらえるよう勤めている、とのこと。

Woodstock Farm Animal Sanctuaryの座右の銘とでも言うべき言葉、
Animals are here with us, not for us.




私は今回、このSharon目当てでこのイベントに行ったようなもの。
Sharon Gannonはビーガンを勧めているJivamukti Yogaの創設者です。
著書に『Yoga and Vegetarianism』があり、以前ベジタリアン雑誌『Veggy』のインタビュー
記事でこの本について「私は常に世の中にあるべきものがない場合に、それを待つの
ではなく、自分自身がアクションを起こすようにしています。現在ヨガや菜食について
の本、または動物愛護の視点から描かれた本は沢山ありますが、ヨガから見たベジタリア
ニズムの本は無かったんです。だから私はそれを一冊の本にまとめました。」とあって
それは読んでみないと!と買ってから早3年弱。持続性のない私は読みかけたまま。
SharonのヨガDVDも買ってみたものの飽き症の私はほとんどやらないまま。
(その私がビーガン生活は3年半以上続いています!)
でも実際会ってお話を聞いてみたかったのです。


お話の内容は、ほぼこの著書に沿ったもの。解説を聞いているようで私にとっては
ありがたかったです。

話の前に、まず皆でマントラを唱えました。
「Lokah Samasta Sukhino Bhavantu. May all beings everywhere be happy and free.」
これを唱える前にSharonが言ったことは、何事でも心にないことは口に出してはいけない。
だからもしあなたがこのマントラの意味に賛成でなければ、ただ聞いていてください。

ビーガンとは関係ないけれど、普段思ってもないことを言うことってままあって、
それは人間関係を潤滑に進めていくには便利で必要なことかもしれないけれど、
おべっかや上辺だけの同意などなく、本当に思ったことだけ正直に話すだけでも
上手くいくならそれに越したことはないよなあと思ったのでした。

Sharonの話で一番印象に残ったのは、大事にされて育つ家畜の話。
今の工場式畜産でなく、昔や今でもほんの少しは残っているだろう家族的畜産。
私は、ひどく残酷な工場式畜産と比べれば、生きている間は大切にされる小規模の
家庭的な畜産の方がましだと思っていました。
しかし、ヨガにおける道徳的な戒め『ヤマ』にはまず「アヒムサ=非暴力、不殺生」が
あり、屠殺するとなるとまずこれに抵触する。でもそれだけでなく、殺して肉を食べる
ことは、その家畜動物から命、太陽、そして尊厳を盗むことになり、それは「アステーヤ
=不盗」にも反してしまう。そしてなにより、今まで大事に世話をし信用させておいた
上で手のひらを返したように殺すということは、その家畜に対して噓をついたこと
になる。ということで「サティヤ=正直、噓をつかない」にも反してしまうというの
です。

ヨガ用語はさておき、言われてみればそうだな、と。
裏切られることほど辛いことってないかも。
人間目線で書かれた、
今まで大事にしてもらったから殺されて肉になっても本望、みたいな家畜動物談話を
読んだことがあるけれど、殺されていいわけないよね。
大体人間側は最初から肉目的なわけだし。

疑うことを知らないであろう人間以外の動物たちを裏切ることはやっぱりしたくないと
強く思いました。

ホームページより

もう一人のスピーカー、Kris Carr。『Crazy Sexy Diet』の著者。
約10年前に末期ガンと診断されましたが、それからビーガンになって今なお元気に
暮らされています。主に食事&健康面からのビーガンについての話。
やはりYou are what you eat。 食べ物や呼吸その他から身体に取り入れたもの(重金属、
殺虫剤等含め)が今の自分になっている、と。病気はなる前に予防が一番!

興味深かったのは、変化に対するの恐れについての話。
うる覚えですが、たとえばビーガンになろうかな、と思っても、
自分がそう変わったら周りはどう思うだろうか、等と考えるとなかなか変われない。
結局それは自分が変化に対して恐れを持っているから。
Krisは状況が状況だっただけに、ガンを宣告されたとき、自分にとって心地よくなかった
ものはスパッと切り捨てたそうです。仕事も辞め、食生活もガラッと変えて。

変化は確かに恐いかもしれないけれど、しばらくすると変わった後の生活が
当たり前になるんだけどね。

さまざまなスピーカーの盛りだくさんな話の中で、私が聞き取れたであろう部分は
ほんの一部ですが、その多くはビーガンにとっては基本的なことでした。
どれだけの動物が、、どんなに残酷で、、どうビーガンになったか、、
ビーガン食生活の充実ぶり等。
というのもこのイベント、名前のVEG-CURIOUS?の通り、ベジに興味を持ち出した
人が対象なのです。でも実際の来場者はほとんどがすでにベジタリアンorビーガンだった
というちょっとミスマッチな印象。
場所が都会からは離れているし、参加料もサンクチュアリの資金集めも兼ねているので
1人$65するしで、ノンベジの人はよっぽどでないと来ないよなあ。
私が聞いてももちろん勉強になったのですが、
たくさんのノンベジの人に聞いてもらえたらどんなによかっただろうか、と思いました。

2 comments:

  1. こんなイベントがサンクチュアリであるのですね。知りませんでした。素晴らしい。
    そして、詳しくレポートしてくれて、とても読みごたえがありました。おつかれさまでした!
    ほんとに、最初は変化に戸惑うこともあるけれど、しばらくしたらベジの生活にも慣れ、当たり前になりますね。
    こういったイベントに、もっとノンベジの人が来てくれたらいいのに。$65はちょっと高いなぁ;

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  2. 自分にもっと聞き取り&レポート能力があればな、、、とがっくりしていたのですが、
    yukiさんに読みごたえがあると言っていただけてうれしいです!
    ファームアニマルサンクチュアリのことは、
    日本にはここまでしているところはほとんどないだろうと思うし、
    それよりなによりとっても素敵な場所なので
    伝えたい気持ちがいっぱいになるのです。
    でもいかんせん、能力が追いつかず、で困ります。

    ノンベジの人たちをどう誘導するか、
    その機会をどうやって作るか、
    その場に来てもらうというところが一番の難所ですね。
    来てくれさえすれば、
    普通の良心さえ持ち合わせた人ならば
    興味を持ってもらえるに違いないと思うのですけどね。

    $65はこのイベントの趣旨の場合はちょっと設定ミスでしょ?
    サンクチュアリを応援したい私でも一瞬ひるみましたもん。
    実はサンクチュアリ会員&アーリーバード割引を組み合わせると
    40何ドルかになったんですけど、ちょっとした登録トラブルで
    会員番号のやり取りなどで手こずっているうちに日も経ってしまい、
    寄付と思ったらいいかと結局フルプライスで購入しました。
    でもノンベジでこれから、という人にはなかなか払えない額だと思います。

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