Monday, January 23, 2012

ビーガン日本酒


ワインは製造時、不純物を取り除く際に動物性の物質(ゼラチン等)を使うことが多い、
ということは知っていました。 参考→まるまのお笑いベジタリアン
だからできるだけビーガンワインを買うようにしています。
でも、日本酒にまでゼラチンが使われているとは知らなかった。

オレゴン州でつくられている日本酒momokawaは、オーガニックの純米吟醸もあって
とってもおいしいのでここ2年ほどずっとここのオーガニック純米吟醸とにごりを
買っていました。今までホームページを見たことはなかったのですが、今回
西海岸の放射能汚染のこともあるし、なにかそれについて言及されているかな、と
初めてチェックしてみたのです。

そうしたら、見つけてしまった。

Organic, Vegan, Sulfite & Gluten Free

Sake organicSake offers a variety of added lifestyle choices. USDA certified Organic sake, like our Momokawa Organic Junmai Ginjo or Nigori provide an earth-friendly (and what many believe to be body-friendly) option. Nigori sake do not receive the refinement stage that most often uses a gelatin based agent for clarifying. Our Momokawa Pearl and Organic Nigori are Vegan friendly as there are no animal by-products used in refinement. Gluten and Sulfites cause a range of health issues so you'll be happy to know that sake are completely free of both elements.




「にごり酒は製造過程で、にごりを取る為にゼラチンが最もよく使われる精製を行いません。
よって、Momokawa PearlとOrganic Nigoriは精製時に使用される動物由来物質がないので
ビーガンフレンドリーです。」

ということは、今まで飲んでいた純米吟醸にはゼラチンが使われていたんだ、とショック。
ワインにしろ日本酒にしろ、澱下工程でゼラチンを使用した場合は加工助剤なので
「表示義務なし」だそうです。

これからはにごり酒ばかり飲むことになりそう。

ところで放射能汚染については、ホームページにはなにも書かれていなかったと思います。
きっとお米も西海岸産だろうし、水だって地元のものだろうし、
もしかしたらにごりならいい、とか言ってる場合ではないのかもしれないけれど。

目に見えないものと闘うのは本当に難しい。

〜追記〜
澱下げ剤について書かれたサイトがあったので転載します。
文中に、「最近使う所は少なくなってきたけれど」とあります。
澱下げ剤は全てが動物性とは限らないだろうけれど、ビーガンが安心して飲める為にも
もっともっと少なくなって欲しいな。もしくは使用不使用の表示が義務化されれば
いいですね。


澱下げ剤(おりさげざい)

この耳慣れない言葉について、あるお客様から
質問されました。

まず 澱下げ というのは、日本酒の製造工程の中で
上槽後 つまり 搾ったあと にごりを鎮める工程
のことです。

ですから、澱下げ剤 というのは、澱が鎮まるのを
促進させる溶剤である (実はそれだけではないのですが)
ということまでは、容易に想像できます。

でも、具体的にどの様なもので、どう使うのか
使うとどんな効果があって、どんな弊害が出るのか。
と突っ込んだことは答えられません。

そのお客様は、なぜそんな質問をされたのかと言うと、
白隠正宗の 山廃純米ひやおろし 
をお買い上げになり、いたく気に入られたからです。



そのお酒の裏ラベルには、こう記されてありました。

『白隠正宗はより自然な味わいを追求しております。
 そのため 澱下げ剤を投入しておりません。
 澱が下がりきらないことがあり白濁する場合が
 ございますが、健康上、感応上問題ございません。』


で、 澱下げ剤というのは、使うのが当たり前なんですか?

と質問されたわけです。

正直 勉強不足の私には即答できる内容ではありませんでした。
こうなれば、裏ラベルの作成者でもある 高嶋酒造の高嶋社長
に聞くしかありません。

彼のお話では

最近は使うところが少なくなってきたけど、まだまだ
使っている蔵はたくさんあるそうです。

酒は貯蔵しているうちに透明度が落ちてくることがあります。
これは酒の中に溶けているタンパク質が変化して不溶化するため。

そこで柿渋やゼラチンなどの「澱下げ剤」を使って、にごりの
原因となるタンパク質を沈殿、除去します。日本酒に限らず、
ほかの醸造酒でもよく行う方法です。

特に 日本酒度の低い、比較的甘口の日本酒では、使用しないわけ
にはいかないというのが、現状のようです。

実際 高嶋酒造でも以前はゼラチンを澱下げ剤として使用していた
そうです。ただ、ゼラチンと言ってもその基となるのが牛骨であっ
たりするので、不安になり やめたとか。
なにより、お酒の味を変える という副作用があるようです。

ですから高嶋酒造では、澱下げは タンクをキンキンに冷やして
1週間ぐらいかけて行うとか。
ですから、一回火入れの ひやおろしの場合、ごくまれに、かすかな
にごりが出る場合もあるので、あの裏ラベルの文言を表示するように
したとか。そして、生酒には全く表示されておりません。

澱下げ剤というのは、食品添加物ではありませんから、人体には
全く無害ですし、そもそも体内に吸収蓄積されるものではありません。
ただ、本来あるべき旨味を、取りすぎてしまうこともあるようです。
酒の味が変わる というのは、そういうことなんでしょう。

似た様な工程に ろ過 があります。最近は 炭素ろ過こそあまり
聞きませんが、セラミックろ過はどこでも行われています。
これも、なんミクロンという穴の大きさで、お酒の味わいに
微妙な影響を及ぼします。

澱下げにしても、ろ過にしても、日本酒の工程の最後のごく一部では
あるのですが、意外とこれが、味や香りに対して、重要なポジショニ
ングであることが、今回のお客様からの質問で判った という次第です。


4 comments:

  1. マオさん、さすが良く調べてくれました。
    日本酒を濾過するのにもゼラチンを使うんですね。昔からそうだったんでしょうか?
    Momokawaのにごりは、純米吟醸よりも好きなので、最近よく飲んでいます。
    夏はあまり飲みたくなかったのに、今はおいしいと思うのはどうしてでしょう?

    放射能のことを言い出せば、玄米も野菜もこの時期ほとんどが西海岸から来ているので、食べる物が無くなってしまいますね。
    まあ、ホントのことを言えば、冬はこの地域では、乾物と少しの豆類、穀類で生活するのが一番いいのかもしれません。みんな(私も含めて)食べすぎです。だから風邪を引くのではないかと思ったりしています。

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  2. くにこさん、ほんとおっしゃる通り食べ過ぎ、贅沢なんですよね。自分の食生活を見てみると、いくらビーガンだとはいえ、なんだかなあ、このままでいいのかな、とは思っています。身近で、願わくば自分の手で手に入れられるものだけである程度生きていけなければ、何か起こったときにすごく困るのだろうな。
    放射能汚染のことも、どこまでをどうするのか、自分の中でしっかり基準を作れない私は、あっちへふらふら、こっちへふらふらです。本当に考えているのなら、西海岸産の玄米も野菜のほとんども、そして嗜好品のお酒に至っては真っ先に止めるでしょうに、またまとめ買いしてしまったし。やっぱり自分に都合の悪いことは見て見ぬフリしたくなるんですよね。実際なにがどこまで汚染されているかの情報ってなかなか出てきませんし、もしかしたら全く大丈夫なのかも、とも思ってみたりもするし。
    目先のおいしさ楽しさを取るのがいいのか、先々を考えて一気に質素な生活に切り替えるのがいいのか、となると結局できるだけ今までの生活の質を保とうとしてしまいます。

    なにはともあれ、Momokawaのにごり、おいしいですよね。冬にはまったり感が合うのかな?濁ってる分、陽性なのかな?
    昔の製造過程ではどうだったのでしょうね。お酒が透き通っていることを今ほどは重視していなかったのではないかなと、それなら澱下工程もいらなかったのでは、とも思いますしね。でも柿渋と併用するらしいですから、柿渋となると昔からの方法だったのかな、とも思ったり。

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  3. ワインにまで動物性のものが使われていたとは・・・
    こういう知らないことってまだまだいっぱいあるのですね。
    知らず知らずに動物を犠牲にして人間は欲求(この場合は食欲)を満たす。なんとも悲しい事です。
    表示しなくても良いというのも問題だと思います。材料は100%表示してほしいものです。

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  4. 材料は添加物、加工剤含め、全部知りたいですよね。ワインも日本酒も、動物性の物をつかっていないものがたくさん出て来てほしいですね。

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